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2004.6.29(火) 赤名湿原(島根県)

夢中になってトンボ(サラサヤンマだと思う)の写真を撮っていたら、1Gのコンパクトフラッシュカードを、あっという間に使い果たしてしまった。僕が使用しているニコンD70では、1Gのカードを入れ、最高画質でおよそ100枚弱撮影できるので、フィルムに置きかえると3本弱、トンボの飛翔ばかりを撮っていたことになる。
昨日の日記の一番下に掲載したトンボの喧嘩を、もっとシャープに撮りたくて待っているうちに、そうなってしまったのだが、肝心な喧嘩は、今日は見ることができなかった。
今日の画像くらいのシャープさで、2匹のヤンマが取っ組み合いをしている様子を撮りたいな〜!
今年は仕事が多くて、これから3ヶ月くらい、ひたむきに受けた仕事をこなさなければならないので、何日か時間を取って、自由に気の向くままに、撮影の効率など何も考えずにトンボの喧嘩を撮影できる機会は、今日以降は少ないだろう。
ちょっとせつなくもあるが、こんなご時世に仕事があることは、ありがたいことでもある。

今日の撮影場所、島根県の赤名湿原は、昨日おとずれた岡山県の鯉ヶ窪湿原よりもちょっとばかり樹木が多い。やはりも木道があり、木道の上からの撮影になる。
そうした撮影に慣れないので、道具の選択も含めて、まだ撮影がチグハグで集中できない面もあった。が、湿原って楽しいな〜と思った。
これまでは、野外での撮影は渓流が主だったが、今後は渓流と湿原を組み合わせて撮影をしようと思う。晴れた日などは、渓流では日なたと影の明暗が強過ぎて撮影にならないことが多いので、湿原でトンボやいろいろな水辺の昆虫を追いかけてみたい。
(撮影機材の話)
昨日と今日の湿原の画像は、ニコンの12〜24ミリのズームレンズで撮影したものだが、大変にシャープで、カリカリしたいい描写をするレンズだと感じる。
買って良かった!
僕は持っていないが、新製品の17〜55ミリf2.8はさらにシャープだと言われているし、道具の選択が難しくなったな〜と思う。
僕が持っている12〜24ミリにしても、新製品の17〜55ミリにしても、APSサイズのイメージセンサーを持つデジタルカメラ専用であり、フィルムカメラには使用できない。今後もしもフルサイズのイメージセンサーを持つデジカメが主流になってきたら、無用の長物になってしまう。それを考えると、値段が高い。
が、APSサイズのイメージセンサーを持つデジカメを使用する限りは、そうしたデジカメ専用のレンズの高性能さを知ってしまうと、フィルム時代から使用してきたレンズをそのまま流用する気にはなれない。今日は、マクロレンズも、デジカメ専用の高性能なものが発売されれば・・・などと、思わず考えてしまった。
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2004.6.28(月) 鯉ヶ窪湿原(岡山県)

今日は湿原で撮影をする予定でいたが、ふと思いつきで、早朝に有名な滝を1つ撮影してから湿原に移動をすることにした。
ちょっと欲張ったわけだが、これが良くなかった。
まず、その滝はあまりに濃い霧で撮影どころではなかった。
それから急いで湿原に移動をしようとしたら、今度は道に迷ってかなりの時間を無駄にした。
湿原についてからは、焦っていたからだろうが、道具の選択を誤った。日頃、滝や渓流を撮影するときに使う道具をそのまま持って、湿原へと入ってしまったのだ。
湿原を1キロほど歩くと、トンボが多く見られるいい場所があった。が、木道の上からの撮影になるので、トンボに近づくことができない。
望遠レンズが欲しいが、あいにく車の中だ。ただでさえ道に迷って時間をロスしたのに、車に道具を取りに帰っていると、また時間が無駄になってしまう。仕方がないので、カメラバックの中に入っていた道具で押し通すことにした。

トンボが目の前を飛んでくれるのだが、いざカメラのファインダーで捉えてみると、意外に小さくしか写らなくて、もどかしい。
手掴みできるんじゃない?と思える程近づいてくるトンボが、105ミリのマクロレンズでようやく撮影できた。

時々、縄張りと縄張りの境界で、取っ組み合いの喧嘩をするトンボがいて、それをどうしても撮りたかったのだが、200ミリくらいのレンズが欲しい。105ミリで撮った画像をトリミングしてみた。
トンボの写真はアマチュアのレベルが大変に高いが、それでも取っ組み合いの喧嘩をしているような写真はなかなか見かけないし、ビシッとシャープに撮りたかった。あとちょっとシャープに撮れていれば、すばらしい写真だったと思うのだが・・・。
せっかくデジカメを持ったのだから、こうした難しいシーンを常に頭の中において、チャレンジしてみようと思う。
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2004.6.27(日) 鱒返しの滝(鳥取県)

もしも引越しをするのなら山陰に住んでみたいな〜と、たまに考えることがある。人が少なくて静かなのがいいし、まだあまり写真で発表されていないいい場所がたくさんあることだろう。
今日は、鳥取県まで足を伸ばして、大山の周辺にある滝を撮影することにした。
1つ目は大山滝の予定だったが、土砂崩れで遊歩道が通行止め。これは諦めるしかない。2つ目は、今日の画像の鱒返しの滝で、見ての通り、見事な滝だ。
鱒(マス)とは、おそらくサクラマスやアメマスのことだろう。
産卵のために海から川に上ってくるサクラマスが川に住みつき、川ですごすようになったものがヤマメで、アメマスが川にすみついたものがイワナだ。
つまり、ヤマメやイワナは、マスの仲間になる。ヤマメはイワナは、
「え!こんなところで?」
と、びっくりするような源流部で、その姿を見かけることがある。渓流には大抵幾つかの滝が存在するが、数メートル規模のかなり大きな滝でも、渓流魚は、増水時にのぼることができるらしい。
だが、さすがに数十メートルの規模がある滝は別で、渓流魚でものぼることができない。
釣り師は、そうした滝を魚止めの滝と呼ぶ。
ヤマメ釣りに夢中になったことがある僕にとって、鱒返しの滝という名前は、なんともロマンを感じる名前なのだ。

大きなカタツムリを見つけた。今まで僕が見たものの中で、恐らく一番大きいカタツムリだと思う。僕は、手が比較的大きな方なのだ。
道路のど真ん中に落ちていて、裏側は、かなり大きく割れていて、身も少し痛んでいる。どんなトラブルに巻き込まれたのだろう?
持って帰ろうかどうか迷ったが、弱っているのであれば、環境の変化などに耐えられない可能性が高いし、殻も裏側が割れているのだから、スタジオで標本用に撮影することもできない。
が、カタツムリは種類を調べるのが難しくて、図鑑で調べるにしても現物が必要になることが多い。散々迷ったが、やっぱり持って帰らないことにした。
恐らく、この地区にだけ見られる種類だと思う。ダイセン(大山)マイマイだとか、イズモ(出雲)マイマイだとか、そんな名前のカタツムリが存在したような気がするが、帰宅したら調べてみたい。
今日は、これまでに見たことがないカタツムリを3種類見つけた。
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2004.6.26(土) サンイン(山陰)マイマイ

カタツムリをたくさん撮影している写真家は、少ないだろうと思う。が、需要はなかなか多くて、梅雨時に出版される本の中で、よく写真が使われる。
つまり、ニーズがあるのに撮る人が少ない、数少ない生き物だと言ってもいいだろう。
「カタツムリの写真を撮ってよ!」
とはじめて求められた時には、正直に言うと、
「気が進まないな〜」
と思った。だが、いろいろな出版物に目を通してカタツムリの写真を探してみると、なんとカタツムリは、水辺の生き物の本の中にしばしば登場することがわかった。
確かにカタツムリは貝の仲間だが・・・、まあ、水辺の生き物として扱われることが多いのなら撮ってみようかと、撮り始めたのがきっかけになった。
撮ってみたら、なかなか面白かった。
まず、ツクシマイマイ、セトウチマイマイ、サンインマイマイ、キュウシュウシロマイマイなどなど、カタツムリにはその土地の名前がついた種類が多く、各地域に、その土地だけにすむカタツムリが生息している。
だから初めての場所に行けば、とても高い確率で、今まで見たことのない種類のカタツムリが見つかる。これが、僕のささやかな楽しみになった。
しかも、カタツムリにはいい本がないので、あらかじめどんなカタツムリが見られるのか下調べをすることができにくい。まるでびっくり箱を開けるかのように、その場に行ってみなければ何も分からない点もいい。
また、昆虫と違って飛んで逃げたりしないので、見つけたら、それから撮影の準備をしても十分に間に合うことが多く、風景の撮影など他の撮影と組み合わせやすい。
今日は、滝の撮影が主な目的だったが、サンインマイマイを探しながら歩いた。

中国自動車道路の吉和というサービスエリアの食堂のメニュー・岩魚の唐揚げ定食は、実に美味しい。高速道路の食堂とは思えない美味しさで、去年の秋に初めて食べて以来、とりこになった。
信じられない!と言っても言い過ぎではない。もちろん今日も、それを食べるために、ちょうど昼食時に吉和を通るように計画を組んだのだった。
中国自動車道路は、山口県から広島県や岡山県の山沿いを通るが、並行して瀬戸内側に山陽自動車道路があり、その結果、大変に車が少ない。
食事時にサービスエリアの食堂に入っても、場所によっては2〜3人しか客がいないことも珍しくなく、まさに閑古鳥が鳴いている状況なのだ。
不経済だ!とも思うが、悪いことばかりではない。岩魚の唐揚げが美味しいのも、揚げたてだからだし、そんな悠長なメニューを準備できるのは、お客が少ないからではないだろうか?
僕はやっぱり、丁寧な、時間と心が込められた仕事が好きだ。
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2004.6.25(金) URL
今日は、まずお知らせから。
独自ドメインを取得しました。URLを www.takeda-shinichi.com へと変更します(これまでのアドレスも引き続き使用することができます)。
先日、日本自然科学写真協会の集まりに参加した際に、昆虫写真の海野先生が、ある一人の写真家を指して、
「彼は、間違いなく、ますます高く評価されると思うよ。彼のHPおもしろいでしょう?武田君!」
と話してくださった。
悪口ではないので、その方の名前を書くと、新開孝さんがその人になる。
新開さんがいい仕事をしておられることは、前々からよく知っているつもりではあったが、HPが開設され、新開さんの日々の活動が「昆虫ある記」という日記の中で発表されるようになって以来、僕は、その楽しい仕事にますます魅せられるようになった。
それから、新開さんの仕事がすばらしいということとあと1つ、インターネットという発表の手段の威力も痛感した。出版では伝えられないものごとが、インターネットではよく伝わってくるのだ。
ホームページが直接お金になることは、今の時点ではほとんどないだろう。が、仕事になるとかならないではなくて、自分が面白い!と感じたその感激をバンバン発信することが大切なのではないか?と感じた。仕事は、その結果、あとからついてくるものではないか?と。
また、そうしてお手本を見せてくださる人がいることは、大変にありがたいことなのだ。
そこで、僕も、もう少しホームページでの発表に力を入れようかな・・・と思うのだが、まずHPの宣伝をしなければならないだろう。実は、僕はほとんどHPの宣伝をしたことがないのだ。
そこで、この機会に、憶えやすいアドレスにすることを思いついた。
今まで使ってきた http://www5a.biglobe.ne.jp/~stpohp/index.htm というアドレスだが、「~」という文字が入ることが、どうもあまり好きではなかった。日頃滅多に打たない文字なので、パソコンが苦手な人の場合、そのキーがどこにあるか分からない人もいるだろう。また、僕自身、人のホームページを見ようと思った際に、「~」の打ち方が分からなくて、まあいいやと、やめてしまったこともある。ずっとずっと以前のことではあるが。
明日から5日間、広島・島根・鳥取で撮影をする予定だ。今回は、滝の撮影が2日間、湿原での撮影が2日間で、最後の一日はヤマメ釣りを計画している。
滝は、前もって地図上でよく調べ、効率良く、幾つかの滝を回れるように準備した。
また、湿原の方は、トンボや水辺の植物を撮影したい。こちらは、風景と違って偶然の出会いや旬があるので、多くの場所を効率よく回ろうとするのではなくて、一箇所でじっくりと一日を過ごしたい。
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2004.6.24(木) 試験明け?
今日は何だか気分がいい。多分、昨日、メダカの孵化の撮影を終えたからだと思う。逆に言うと、それだけ負担に感じていたことになるが、昨日も書いたように、誕生の一瞬を捉えるような撮影は非常に泥臭くて、時にかなりの我慢が求められるのだ。
まるで、試験が終わったばかりの学生のようだ。
さて、今日は、小動物を撮影するためのスタジオに改良を加えた。スタジオの改良というと、いつもは照明の具合を調節することが多いが、今日は、撮影に使用している台を換えることにした。
メダカの孵化の撮影中に感じたことなのだが、長い時間、カメラを構えて待たなければならない時には、ほんの少しでも楽な体勢で撮影できるようにしておかなければ、集中がもたなくなる。
撮影台や椅子の高さ、三脚や照明器具の操作性・・・、しっかりとした撮影システムを準備しておくことが大切なのだと。
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2004.6.23(水) 勝手な想像
先日、日本自然科学写真協会の集まりで、
「よく毎日あんなにたくさんの文章を書けるね!」
と、みなさんが感心してくださった。
今となっては、こうして日記を更新することが習慣になっているので、時には写真を撮る前から、その日の日記が、頭の中で準備されるような日もある。
例えば先日、土の中に住む虫の幼虫の撮影に出かけたが、まずその虫を見つけることに、かなり苦戦することも予測された。だが一方で、僕の頭の中では、
「虫はなかなか見つからなかったが、運も味方してどうにかギリギリ撮影できた。」
という、その日の日記の文章がイメージされていた。
結果、諦めてしまいそうになる時にでも、そうして思い描いた成功のイメージ通りに、いつの間にか僕自身が動いてしまっていることも多々ある。
昨晩から今日にかけては、メダカの孵化の撮影にチャレンジしている。これは、かなり泥臭い撮影である。
メダカの卵は、大抵の場合、一瞬で孵化をするので、それを撮り逃すまいと思うのなら、カメラのシャッターボタンに右手の人差し指を乗せ、いつでもシャッターを押せる状態で待たなければならない。
孵化は一秒以内の出来事なので、精神の集中も必要だ。
また、メダカの卵くらいに小さなものをカメラのファインダーで大きく捉えると、ほんの少し僕の足が床に力を入れただけで、微妙にカメラのピントが狂ってしまう。だから、左手は、メダカの卵にちゃんとピントが合うように、常にピント合わせを続けなければならない。
それでメダカが一時間以内くらいに孵化をしてくれればいいのだが、実際には数時間、或いは一晩以上待たされることもある。そんな両手と片目が塞がった状態で長時間緊張をして待つ撮影が、楽しかろうはずがない。正直に言うと非常に辛くて、気が重いのだ。
だが、先延ばしにすることは何の解決にもならない。偶然もあるのだから・・・と、昨日も勝手に成功のストーリーを思い描いてみた。
まず、撮影機材をセットする。そしてメダカの卵を大きく捉える。
軽く試し撮りをする感じで、数枚シャッターを押してみる。すると、いきなりメダカが孵化をして、ほんの数分間で写真が撮れてしまう・・・
あまりに都合が良すぎる想像だが、昨日はあと少しで、それが現実になりかかった。
試し撮りをするところまでは良かったのだが、その直後、夜に会う約束をしていた知人に、
「今晩は撮影の都合で会えません。」
とメールを書いた、ほんの数秒の間にメダカが孵化をしてしまった。
卵を換え、待つこと30分、今度は別の卵が孵化をした。が、あまりに速すぎて、シャッターが押せなかった。たった30分の待ち時間だったが、一瞬を捉えるような緊張は、30分でも維持することは難しいと痛感させられた。
が今度は、孵化がいよいよ近づくと、ほんのわずかな変化だが、卵に兆候があることに気付くことができた。
そして、その兆候を頼りに、とにかく一応撮影できたはずだ。フィルムを現像してみよう。
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2004.6.20〜22(日〜火) 上京
日本自然科学写真協会(SSP)の総会と評議委員会と懇親会に出席するために上京した。東京の人ごみと、乗り慣れない公共の乗り物にたくさん乗らなければならない疲れでもうクタクタ。
昨日の夜、事務所に帰り着いたのだが、最後に乗った博多から北九州までの電車が、
「どうしちゃったの?」
と自問したくなるくらい苦痛で、しばらく東京には行きたくないな〜。やはり生まれ故郷が過ごしやすい。
ただ、SSPの集まりは、とても楽しかった。
今朝は、その疲れをとるためにゆっくり眠ろうと予定していたのに、悲しいかな、日頃の習慣で、いつも通り5時台に目が覚めた。
それなら、せっかくだから撮影に行こうと、予定変更。今日は19日にもトライした、土の中に住む虫の幼虫を撮影した。
今回は、それなりに納得できる写真が撮れた。
本当は、楽しかったSSPの集まりや、今日の撮影に関して、まだ書きたいことがあるのだが、やはり疲れでどうもうまく文章が出てこない。またの機会にでも書いてみたい。
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2004.6.19(土) 幼虫探し
木の根っこにくっ付いてすごす虫の幼虫を探しに出かけた。当然土の中に暮らす虫なのだから、外からは見えないし、掘ってみなければ何も分からない。ただ、その虫の成虫の痕跡がたくさんある場所なので、きっと掘れば出てくるに違いないと思いトライすることにした。
結果は、たった一匹だけど見つけた。
もしかしたらゴロゴロ出てくるのでは?という期待もあったが、細かく張り巡らせれた木の根が邪魔になり、掘り進むことができない。おまけに蚊がすごくて、肌が露出している部分はボコボコになってしまうし、冷静ではいられなかったのだろう。写真はイマイチ。
もう一度、後日トライしたい。
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2004.6.18(金) ハードディスク
取材に持ち歩くノートパソコンを買い換えたいと、先日書いたが、どんなに考えても、資金を調達することができない。そこで、ノートパソコンは諦めたが、代わりに、パソコンなしでデジタルデータを記録できる20Gのハードディスク(3万円弱)を購入した。
僕が今持ち歩いているノートパソコンには、問題点が2つある。
1つ目は、CPUやメモリーの容量不足で、日記の画像を更新するのに大変に苦労させられること。これは、我慢をすることにした。また、現在使用しているソフトをいろいろと試した結果、それらのソフトをどう使ったらパソコンに負担がかかりにくいかが分かった。これならかろうじて許せるかな・・・とギリギリ我慢できる使い方があることが判明した。
2つ目は、古いパソコンなので作動が不安定で、今にも壊れそうな感じがすること。
もしも本当に壊れて、保存していた画像が失われたなら、かなり大きなダメージになる。そこで、引き続き、現在使用中のノートパソコンにも画像を保存するが、同時に、携帯用のハードディスクにも画像をバックアップしておくことにした。
一番お金がかからなくて、当面、今の不安を切り抜けることができる方法を考えたのだった。
あとは、1Gくらいのコンパクトフラッシュカードを1枚くらい追加できれば、デジタルカメラで、ほぼ不安なく撮影ができそうだ。
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2004.6.17(木) 死亡率

毎日毎日、今の自分のやり方に改良を加えなければならない点が見かる。
今年はカタツムリの子供が上手く育たなくて、ポツリポツリと死んでしまうのに苦心しており、ここのところ毎日のように飼い方を模索し、新しい飼い方へと改良を加えている。
が、それでも死亡率が高い。
これまでは、タッパーに赤玉土をいれ飼育してきたのだから、今年も同じようにやっているのに・・・。
病気が発生しているのだろうか?でも、すぐそばで飼育している大きなカタツムリは健康そのもので、全く病気の気配もない。何が悪いのだろう?
カタツムリの小さな子供の飼育は難しいと、京都大学でカタツムリを研究しておられる方から聞いたことがある。自分で採卵して、それを育てて撮影に使っているのだと、僕が説明すると、
「それは凄い。私も研究用にカタツムリを育てようとするのですが、滅多に大人になるまで育てることができません。」
とおっしゃっていた。
正確に言うと、僕のカタツムリは、僕の知人が育ててくれたもので、知人は僕の指示通りに飼っていただけだが、実に上手く育ててくださった。
京都大学の研究者が育てられないものを、ほとんど死なすことなく見事に大人に育ててもらった。特別に生き物に興味がある方ではなかったのだが、実はカタツムリの飼育の名手だったのだ。
今年は、その方にお願いできなかったので自分で育てているが、僕がやると全くダメ。
もしかして蒸れているのかな?と考え、今日は、今までとは全く違う飼い方を考えだしてみた。
植木鉢に赤玉土を入れ、植木鉢の周囲には水を張っておく。水があるので、カタツムリは逃げることができないし、水を吸った鉢や土から、カタツムリに適度な湿度が与えられるのではないだろうか?
ただ心配な点もあり、カタツムリがポロリと水に落ちてしまったら、子供のカタツムリは死んでしまうことになる。
大人のカタツムリ場合、かなり長い時間、水中で過ごすことができる。僕は以前、池に落ちたカタツムリを見たことがあるが、胴体を伸ばしてみごとに池の中を歩いていた!
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2004.6.16(水) 得意・不得意

昨日、これまで使用してきたレンズを、ニコンのデジタルカメラ・D70に対応した新しいモデルに買い換えたことを書いた。
デジタルカメラを、仕事用として本気で使ってみた結果、フィルムでは難しかった領域が表現できることを痛感し、一刻も早く、一通りの道具を揃えたかったのだ。
ただ、デジタルカメラが苦手とする被写体もあるように感じるので、今日は、そんなケースを紹介しておこうと思う。
今日の画像は、この5月に撮影したヒキガエルの子供の上陸シーンだが、645判のフィルムをスキャナーで取り込んだものだ。ほぼ同じカットをニコンのデジタルカメラD70でも撮影したが、デジカメの方は、色々に条件を変えて撮ったにもかかわらず、
「この画像は使いたくないな〜」
と感じられるようなイマイチな写真だった。
まず、同系色の小さな被写体がゴチャゴチャ写り込むような写真の場合、デジタルカメラはイマイチだな・・・と感じられることがある。
それから、黒っぽい被写体の微妙な黒の濃淡の具合は、フィルムには及ばないなと、よく感じる。また、水に濡れた被写体や表面がヌメヌメしている被写体の描写もフィルムの方がいい。
上の画像は、茶〜黒の近い色合いの小さな被写体がゴチャゴチャしており、主な被写体であるヒキガエルの子供は黒っぽくてヌメヌメしている。
デジカメが苦手とする条件が幾つも重なってしまったシーンだったのだ。
他に、水中に群れているオタマジャクシの群れを、遠くから、オタマジャクシが小さくたくさん写り込むように撮影した時なども、デジカメの画像は平坦でつまらない描写になる。
僕が主に撮影する水辺の小動物には、そうしたデジカメが苦手とするタイプのものも少なくない。
なぜ今頃、こんな画像が出てきたかと言うと・・・
今日は朝からフィルム整理をしている。整理をしながら、
「あ!これはフィルムの方が断然良かった!」
と感じられた写真をスキャンしてみたのだ。
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2004.6.15(火) 紫外線にさらす

メダカの卵が孵化をする瞬間の撮影に取り組もうとしている。毎年のように、撮ろう撮ろうと思いつつ、ずっと先延ばしにしてきたシーンだ。
先延ばしになるのは、大抵は、何でもないシーンでありながら、撮る者にとっては苦労が多い撮影だ。メダカの孵化の瞬間も、まさにそんなシーンだと言ってもいいだろう。
その写真を見て、ホ〜っと感激する人は少ないだろうが、僕は、かなり長い時間、カメラの前で辛抱しなければならない。メダカの場合、多くの昆虫と違い孵化は一瞬なので、そこに苦労させられるのだ。
そんな骨の折れる撮影の依頼が、ついに来てしまった。しかも別々の2社から・・・。
持てるすべての時間を費やし、何日もカメラの前に構えていれば、いつか僕の目の前で卵が孵化をすることだろう。が、そんなことをしていたら、野外で撮影する楽しい時間がなくなってしまう。
そこで、メダカの卵を数日間連続して採卵し、それを採卵日ごとに分けておくことにした。
今日採卵した卵は、昨日採卵した卵の翌日に孵化をする可能性が高い。それで、ある程度、孵化をする日が絞れてくるはずだ。
卵は、紫外線にさらしておいた方が、水カビにおかされる確率が低くなると、知人が教えてくれたので、早速採卵した卵を屋外に出した。
実は、ちょっと前にも同じ撮影を試みたが、その時は、狙いをつけていた卵が孵化直前でカビにおかされて死んでしまった。今年は、メダカの卵が、撮影を待っているうちにカビにおかされるアクシデントが多く、そうした研究をしている学生時代の友人に教えを乞うたのだ。
(撮影機材の話)
シグマ社製の15ミリ魚眼レンズを買った。シグマの15ミリ魚眼レンズはMFのレンズをずっと以前から持っているが、今回購入したのはオートフォーカスタイプで、今日の画像は、その新しい方の15ミリで撮影したものだ。
なぜわざわざAFのものを購入したか?というと、古いMFタイプのレンズでは、ニコンD70に取り付けた際に露出計が動かないからだ。ニコンのデジタルカメラD100やD70は、シグマのレンズに限らず、たとえニコンの純正のレンズでも、電気接点を持たないMFのレンズには対応していないのだ。
デジタルカメラなのだから、一枚シャッターを押してみれば、露出計がなくても露出は分かるが、やはり使いにくい。第一、便利さが命のデジタルカメラを、わざわざそんな風に不便に使うなんて、趣味が悪すぎる。
ニコンの場合は、古いMFのレンズが最新のカメラに付くが、実質的には制限が多くて使いづらい。だから、ここ数年、
「新しいレンズを買おうと思うのだけど・・・」
と知人から相談を受けた際には、
「MFのレンズは、買わない方がいいと思うけどな〜」
と、僕は答えてきた。ところがニコンのユーザーは、
「AFなんて・・・」
と、わざわざMFのレンズを購入する人が不思議なくらいに多い。
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2004.6.14(月) 顔色を伺う

子供のスポーツの指導をしているある方が、
「ミスしたにせよ、いい結果が出たにせよ、プレーをして、すぐに監督の方を見て、監督の機嫌ばかりを気にする子供は上手くならない。」
と話すのを聞いたことがある。
「なるほどな〜、そんなものか」
と、その時はそう思いつつ、聞き流した。
そして今日、スタジオでカタツムリを撮影していると、上手くならないと指摘された子供たちと同じような態度を取る自分の存在に気が付いた。
まずシャッターを押す。今日使用したカメラはデジタルカメラだから液晶モニターに画像が浮かび上がる。
ほとんど反射的に、僕はそのモニターの画像を見る。一枚撮るごとに無意識のうちに見る。
僕はカメラを構えつつ、シャッターを押す前から、もうモニターを見る態勢を取ってしまっている。だからカメラの構えが疎かになっている。
カタツムリは体をピ〜ンと伸ばしたり、つのを動かしたり、面白い動きを見せてくれる。
液晶の画面を見て、画像のイメージを確認するのは最初の1枚だけでいい。あとは一気に面白い動きを撮影して、一連の動きが終わってから、画像を確認すればいいはずだが、僕は撮る前から結果を気にしているではないか!
撮影した画像をモニターで見る僕は、スポーツでいうなら監督であり、現状を分析し次に何をすべきか指揮をする役割だ。そして、シャッターを押す僕は、スポーツでいうなら選手だ。
つまり一人で二役こなしている訳だが、フィルムで撮っていた頃は、それが別々に切り離されていた。現場ではただ撮る。現像をしてから、今度はひたすらに写真を見て、次に何をすべきか自分に指令を出していたのが、デジカメという便利な道具ができて、それが同時に可能になった。
今の僕は、それに、まだきちんと対応できていないようだ。
それにしても、監督の顔色をすぐに伺う子供の気持ちも分かるではないか。
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2004.6.13(日) 車の掃除

アジサイの写真を撮って欲しいという依頼があり、昨日、アジサイの名所に出かけてみた。
場所は、福岡県北九州市の若松という場所にある高塔山の山頂付近で、一面にアジサイが植えられている。
高塔山に到着し、カメラを持ち出そうとしたら、フィルムを忘れていることに気が付いた。
もちろんデジタルカメラも持ってはいたのだが、本作りに携わる多くの編集者はアナログ人間であり、今でもフィルムを目の前にして本の画面構成を考えるなど、フィルムを希望する人が多い。
また、アジサイの花の写真にはとてもニーズが多く、そのニーズに適う写真をピシャリ撮りさえすれば、間違いなくペイさせることができる。そうしたペイさせる自信がある被写体の場合は、フィルムで撮っておいた方が使い道が多くていいのだ。
仕方がないのでフィルムを撮りに事務所に取りに帰ろうかな・・・と一旦道具をしまいかけたが、カメラに15枚ほどフィルムが残っていたので、その15枚で15シーンを撮影すれば十分だろうと考え直し、山を歩いてみた。
結局、ちょっと時期が遅かった。遠めに見たらきれいにみえる花も、近づくとどこか痛んでいて、一枚も写真を撮らずに帰宅をした。慌ててフィルムを撮りにもどらないで良かった。
先週、渓流を撮影した際も、所々でアジサイを見つけてはシャッターを押した。
アジサイの写真にはニーズが多いが、ただ闇雲にシャッターを押せば写真が使われるのではなく、相手が求めるニーズに適う写真を撮らなければならない。そして、そのニーズと、写真家が考えるいい写真との間にはしばしば大きな隔たりがある。
野性生物の写真の場合は、僕自身のこだわりもあり、必ずしもニーズに合わせる訳ではないが、アジサイの花のような場合には僕の側に全くこだわりがなく、ニーズに忠実に忠実に撮る。
そうして撮影したニーズに適った写真は、僕がこだわりにこだわったお気に入りの写真よりも断然によく売れる。
「これが需要と供給の関係なんだ!」
と思い知らせるのだ。
それをツマラナイという人もいるが、ニーズに応えようとすることは、それはそれで面白いことだと僕は感じる。そう思えるのは、僕の場合は、渓流の水辺の自然を撮るという、全く仕事を意識しない撮影の時間があるからだと思う。
それでバランスが取れているのだろう。
今日は、カメラを持たない日に決めて、単純労働で一日を終えることにした。
車の掃除や生き物の世話がその単純労働だが、僕はその手の労働が嫌いではないので、それはそれで充実した一日になる。
車は、座席さえなかった空間にベッドを置き、荷台や小さな洗面台などを作り、コンセントの差込口を数箇所準備して、取材用の車らしくなった。
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2004.6.11(金) 習慣
ニコンのデジタルカメラ・D70を購入して以来、野外での虫や小動物の撮影には、ほぼ100%デジタルカメラを使用するようになり、その分のフィルム代が不要になった。
また、広くて細々とした風景の撮影には、645判のフィルムカメラもいい。
僕は、じっくり構図を考えるのが好きなので、三脚を構えることが全く苦にならないし、むしろ三脚に取り付けたカメラのファインダーを覗き込む時間が好きだ。だから手ブレをしないシャッター速度を考える必要がないし、いっぱいに絞りを絞って数秒間の露光をすることも珍しくない。
その時の微妙に揺れる木の葉の表情の優しさなどは、手持ちで早いシャッター速度で撮る風景写真では決して表現できないのだ。
ここのところは、そうしたじっくりじっくり撮る風景の撮影にだけ、フィルム代がかかる。
ただ、ずっとフィルムで撮っていた習慣が抜けず、フィルム代がかからないと、写真を撮った喜びはあるが、仕事をした安心感がこみ上げてこない。もちろん、そのうち慣れるのだろうが・・・
今日は、デジタルデータをDVDに書き込む作業をしている。ここ最近で撮影したデータを撮影日ごとにまとめて書き込むとDVDにして3枚にもなり、なかなか時間がかかる。
同時に、主な写真を被写体ごとに分類して、ハードディスクにも書き込んでいるが、ハードディクスの新しいものが複数個欲しくなってきた。
昨年までにかかっていたフィルム代に比べれば、160Gくらいのハードディスクを月に数個買える計算になるが、これまた習慣だろう、フィルム代にはお金をつぎ込めたが、ハードディスクを月に1つでも買う気には、今のところなれない。
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2004.6.9(水) ヤマメ釣り

今回の取材に出かける前からの予定通り、今日はヤマメ釣りを楽しんだ。
朝、少し暗いうちに谷に入り、約4時間釣りをして、27センチを筆頭に、およそ10匹が釣れた。
釣った魚の中から、15センチ以上のものを持って帰ることにした。
持って帰った魚は燻製にして、知人に届ける予定だ。ずっと以前にその知人に、1度だけ手料理をご馳走してもらったことがあり、それ以降何のお礼もできていなかったし、手料理に対するお礼なので、何か僕が苦心して得たものをお返ししたいと、ずっと思っていたのだ。
今日は、釣りの前半はたった一匹しかヤマメが釣れず、言い訳を考えながら釣りをしていたのだが、ふとしたきっかけに、今日のヤマメのポイントがわかり、それ以降は短時間で次々と釣れた。ヤマメが釣れるポイントは、季節によって、時間によって、水量によって変化し、その場所を早めに見極めなければならないのだ。
通常一番いいポイントとされている場所に針を送り込むと、今日のヤマメはすごい勢いで飛び出してくるのだが、針の直前でユーターンし、どうしても釣り上げることができなかった。
そこで、ちょっと違うポイントを釣ってみると、今度は見事に針にかかった。それで、今日のポイントはここだ!と、わかったのだ。
以前、夢中になってヤマメを釣っていた頃は、そこまで考えることが出来なかった。が、撮影で生き物を相手に試行錯誤してきたからではないだろうか?いつの間にか生き物を相手に、何を考えなければならないか、自然とそれが分かりつつあるのだと思う。
釣りをしていなくても、それでもヤマメ釣りが上手くなっていることにちょっと驚いた。時間が成長させてくれることもあるようだ。
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2004.6.8(火) 雨の一日

学生生活を終え、プロの写真家を目指して撮影を始めたばかりの頃は、時間がたくさんあっても、実際に写真を撮っている時間はとても短くて、ただひたすらにもがいていることが多かった。
出かけてもすぐに手詰まりになり、仕方がないから昼寝をして過ごした時間も長かった。
最近は、ようやく丸々一日撮影をしたり、次の日の撮影のために下見をしたり、時間を有効に使えるようになった。
今日の宮崎県北部は一日雨が降り続いたが、そんな日でも大丈夫。雨の日には雨の日に適した撮影場所がある。渓流の岩場などは、雨の日に濡れている方が、岩の質感が断然にきれいに写る。
今日は、宮崎県の日之影川で撮影をしたのち、延岡まで移動をして行縢(むかばき)の滝を撮影した。一昨日の真名井の滝と同様に、有名な滝だが、撮影をするのは今日が初めてだ。
真名井の滝との一番大きな違いは、真名井の滝が車ですぐそばまで行けるのに対して、行縢の滝は、結構な時間、山道を歩かなければならない点だ。
散々歩いた挙句、行縢の滝は、ガスが出てどうにもならないかと諦めかけたが、アングルを工夫し、ガスが濃くなったり薄くなったりするタイミングに気を使い、かなり長い時間をかけ、それなりに気に入った写真が撮れた。
こちらは6月分の今月の水辺の中で、後日、紹介する予定だ。
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2004.6.7(月) 湿原
昨日の午後、ちょっと下見をした湿原に、朝から出かけてみた。
湧き水と放置された田んぼからなる湿原だ。
上の画像は、その周辺の風景で、川の周囲にはかなり広い湿原がある。
ただ全く手付かずな感じがする場所で、とにかく草がボ〜ボ〜に生えていて川に近づける場所は少ないし、湿原の中も足を踏み入れれば背丈くらいの草が生えていて、撮影どころではない。水深も浅そうに見えるかもしれないが、水に入れば僕の胸くらいの深さはあるだろう。
きっと湿原の中には面白い生き物がたくさん生息しているのだろうが、手付かずの場所は、意外に撮影が難しいのだ。
なんとか撮影ができそうな場所を探すのに一苦労。湿原の一番良さそうな場所から少し下流に下がると護岸されている場所があり、その周辺であれば川に下りて撮影することができた。

今日は、グンバイトンボがとにかく多くて、存分に撮影することができた。
このトンボは足が幅広くなっていて、それが軍配のように見えるのでグンバイトンボという名前になったのだと思う。
さて、今日もホームページの画像を準備するのに大苦戦だ。とにかくパソコンの能力を画像の大きさが超えていて、どうにもならない。いよいよ新しいノートパソコンが必要かな・・・と思うのだが、今シーズンはデジカメとデジカメ用のレンズにお金を使い過ぎてしまい、全く余裕がない。もどかしい。
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2004.6.6(日) 真名井の滝
デジタルカメラを本格的に導入したのはいいが、取材に持ち歩いているノートパソコンは、ウインドウズ98搭載の古いもので、たかが日記用の画像を準備するのに、大変に苦労させられる。
ニコンのカメラで撮影した画像を閲覧するソフト・ニコンビューは、現在使用中のパソコンにインストールすることができるが、その画像を細かく調整するニコンキャプチャーは、ウインドウズ98搭載のパソコンでは使用できないようだし、パソコンの能力の問題で、ただ画像を一枚表示するのに、実に長い時間がかかるのだ。
僕は645判のフィルムカメラを今でもたくさん使用しているし、645判のカメラとデジタルカメラを同時に持ち歩き併用するためには、ニコンのD1Xやキャノンのイオス1Dシリーズのような大きくて重たいデジタルカメラでは都合が悪い。
その点小さくて軽いニコンのD70は、僕の使い方によく合うので当分は新しいデジタルカメラを買うつもりはなく、しばらくお金は要らない?などと安心しいたのだが、次はノートパソコンを買い換えなければならないようだ。
今日は有名な滝でありながら、今まで一度も撮影したことがなかった、宮崎県高千穂町の真名井の滝を撮影した。この場所は大変に人が多くて、近づく気にもなれなかったが、今日は雨が降ったこともあり、人出もそう多くない。
午後からは、やはり宮崎県の湿原で撮影するつもりでいたが、いかにも梅雨時の雨といった感じの激しい降雨で、車の中で待機するほかない。
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2004.6.5(土) 集中を欠いた1日

福岡県に英彦山という山があるが、県内では珍しく、落葉樹の森があり、英彦山で鳥の写真を撮るとなんとなく九州の雰囲気とは違った写真が撮れる。
そして英彦山の裏側は大分県になるが、規模は小さいがやはりいい場所が何ヶ所かある。
今日は、その大分県側の渓流を歩き、水辺の小動物を撮影してみた。
この場所は、付近に珍しいヤイロチョウの繁殖地があり、毎年一度は撮影に訪れる場所だ。
ふと、水中にトンボが沈んでいるのを見つけた。ミヤマカワトンボの産卵だ。
どうやって産卵を終えるのかな?と、興味を感じ、じっと見ていたら、タカハヤという魚が2匹す〜っと泳いできてトンボを突つき、驚いたトンボは、慌てて産卵を止め浮かび上がってしまった。

今日は、ミヤマカワトンボの姿が多く、カジカガエルも盛んに鳴いている。撮影にはちょっと日差しが強すぎるように思ったが、生き物たちの活動は活発で、いいタイミングでこの場所を訪れたように思う。
ただ、これまで体験したことがないくらい集中力を欠き、デジタルカメラで撮影した画像をパソコンで見てみると、不思議なくらいピントが合っていない写真が多い。デジタルカメラのファインダーは小さいので、ちょっと集中力を欠くと、ピントを外してしまいがちな傾向がある。
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2004.6.4(金) 原点

明日から数日間、フィールドで撮影する。今回は取材の最終日にヤマメ釣りをしようかな・・・と釣具を準備している。僕の水辺というテーマの原点は、小学校の4年生の時に連れて行ったもらった渓流でのヤマメ釣りなのだ。
その原点に立ち戻り、もう一度その頃のように沢を歩いてみたいなと、突然思いついた。大学院を修了して以来、ひたすらに写真ばかりを撮ってきた僕を、少しだけ遠ざけたくなった。
撮影にせよ、それ以外の日常生活にせよ、最近僕は、何かと反省させられることが多い。最近の僕の生活が雑に変わったわけではないが、過去を振り返り、今まで何とも思わなかったり、あるいは見てみぬふりをしてきたことが、なんだか気になるようになった。
自分がいい仕事をすること以外にも大切なことがあると、しみじみと感じるようになった。
だから変身するために、今の生活を捨ててみようかなと、ぼんやり考えていたのだが、いざそうしようと思うと、捨てようにも毎日が完全に仕事一色に強く染まっていて、他に何も思いつかなかった。
そんな時、ふと夢中になっていたヤマメ釣りが頭に思い浮かんだ。
プロの写真家を目指して写真を撮るようになってからも何度か釣りはしたが、人を渓流に案内したり、ヤマメを人に食べてもらうための釣りであったり、僕が釣りをすることが目的ではなく、ヤマメ釣りは卒業したつもりでいた。
だから、今、ヤマメ釣りに夢中になっていた頃のことを思い出すと、何一つ今の僕と重なる思い出がなく、全く別人の僕がそこにいるように思えてきたのだ。
例えるなら、引越しをして、数十年後に自分の部屋に戻ってみたら、その部屋がそのまま手付かずで残っているような思いがこみ上げてきた。
僕は釣具を処分してしまおうかな?と何度か考えた。僕が持っている竿やリールにはプレミアがついているものもがあり、それなりの値段で売れそうだったので、それで撮影の道具を買おうかなと考えた。
だが、ギリギリのところで思いとどまった。その時はいらないと思った道具でも、それまで夢中になった思い出を過去のものにしてしまったり、お金に換えてその上に何かを積み重ねても、そんなものはいつかガタガタと崩れ落ちてしまうような気がしたのだ。
僕が覚えた釣りはヤマメのルアーフィッシングだが、今日の画像は、僕が一番気に入って使っているルアーで、フランスのルブレックス社製のセルタ3.5グラムだ。
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2004.6.3(木) 伝染

「こんな人になりたいな!」
と、誰でも自分がイメージする人物像があるのではないかと思うが、僕は最近、ファイトがあり、そして穏やかな人間になりたいと思う。
ファイトがあるの方は、少なくとも撮影に関しては比較的自信がある。が、穏やかの方は、これまでそんな風になりたいとあまり考えたことがなかったこともあり、今のところ自信がない。
ファイトに満ち溢れていることと穏やかであることは、ある意味相反することだが、そんな人が僕の身の回りに少ないがいて、お手本を見せてくださり、
「あ〜、こんな風に生きていければいいな・・・」
と強く感じるようになってきたのだ。
今日は、出版関係の方が、東京から、たまたま福岡で会議があるからと僕の事務所にお越しになったが、話をしていると、まさにファイトがあり、そして穏やかな方だった。
そんなタイプの人と話をすると、
「もしもこの人が何か夢を持っているなら、きっとこの人なら、どんな夢でも最後には叶うのではないかな?」
と、僕には思えてくる。
また、やたらに前に出ることばかりを考えている人と話をすると、
「きっとこの人は、かなりの線まで行くだろうけど、本当にいい仕事はできないような・・・」
とそんな風に思える。
ところが、それがいざ自分のこととなるとなかなか分からなくて、ひたすらに前に出たくなってしまう。性格はそう簡単に変えられるものではないと思うが、いいお手本が身近にいれば、それが自分にも多少は伝染してくるような気がする。
さて、僕は人に会う日には写真を撮りたくない。人に会うのであれば、ちゃんと時間を守らなければならないだとか、準備をしなければならないだとか・・・日頃と違うリズムになるからではないかと思う。会った後も、何だかいつもと違う興奮があり、まず写真を撮る気になれない。
だが、今日は違っていた。頼まれている撮影を1つだけ終わらせておこうと、そんな気持ちになれた。きっと今日は、人に会っても疲れなかったのだと思うが、その方の穏やかさのおかげであるような気がする。
今日の画像のシーンは、カタツムリが陸続きではない離れた場所へと胴体を伸ばして乗り移る様子だが、定番中の定番であり、毎年必ずリクエストがある。
だから、今まで同じシーンを数え切れないくらい撮ったが、現物を見ると、カタツムリの意外な器用さが何度見ても面白い。初めて撮った時の興奮はさすがに今はないが、毎年撮りながら、何度も見ても何となく楽しいシーンだ。
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2004.6.1〜2(火〜水) 改善
昨日、この日記の表示幅についてこちらから質問を書いたが、どうもマックで先月分の日記をみると、日記の表示幅がおかしくなり、とても広くなっていたようだ。
だがマックでも、文字のサイズを一旦70%くらいに小さくして、再度100%の大きさに戻すと、きれいに見れるのだそうだ。ほんのちょっとした具合なのだろう。
不具合の原因として一番可能性が高いのは、複数の画像を貼り付け、同時にその画像に文字を回り込ませる処理をした時に何かが起きていると、僕は考えた。そこで、先月の日記の該当箇所に手を加えてみたら、どうも改善されたようだ。
さて、昨日から、来年出版される本のための、カタツムリの撮影に取り組んでいる。今日の撮影は、カタツムリがガラスを登っているところだ。
カタツムリがガラスを登るシーンは、子供向けの自然雑誌の中では定番であり、ただガラスを歩いている写真を撮るのは実に容易い。
だがせっかくなので、それをいかに的確に表現するか、よ〜く頭を使いつつ、撮影することにした。
本当は、
「定番のものは撮らない!僕は新しいものを撮る。」
と言える身分になれば、それが一番いいのかもしれないが、現実にはそうもいかないので、定番のものを撮る時には人よりももっと心を込めて、極めて丁寧な仕事を心掛けようと思う。
定番ということはお手本があるということでもある。そして、僕はそんなお手本になる写真をたくさん見ているのだから、自然と真似をしてしまう。
それは避けられないので、定番を撮る時には、真似はするが、その前に自分なりにもう一度そのシーンを見直してから撮影しようと思う。
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